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1.依存症とは

依存症とは

依存症(嗜癖)とは特定の何かに心を奪われて「やめたくても、やめられない」という何らかの行動に対するコントロールの喪失状態になっていることを指します。依存症は大きく2つに分けることができます。物質への依存とプロセスへの依存です。
依存症とは

物質依存について

アルコールや薬物といった精神に依存する物質を原因とする依存症の症状を物質依存と言います。依存物質(アルコール、薬物、食べ物など)を繰り返し摂取することによって、以前と同じ量や回数では満足できなくなり、次第に量や回数が増えていき、使い続けているうちに使用することをコントロールできなくなってしまう状態を指します。
物質依存は依存している物質によって渇望に起因する精神依存、離脱に起因する身体依存と耐性を引き起こします。依存症は渇望が原因となって使用を容易に止めることができなくなり、「何としても手に入れたい」という衝動に突き動かされることで様々な問題が起こります。
(渇望:強烈な使いたい気持ち/耐性:慣れ/離脱:禁断症状)

依存症の定義

依存症はWHO(世界保健機構)が提唱している、国によって疾患に違いあるのかを比較するために作成した診断基準であるICD-10(国際疾病分離)にも記載されている精神疾患です。

○ある物資、あるいはある種の物質使用が、その人にとって以前にはより大きな価値を持っていた他の行動より、はるかに優先するようになる一連の生理的、行動的、認知的現象。

○特徴は、精神作用物質、アルコールあるいはタバコを使用したいという欲病である。

ICD-10診断ガイドライン

  • 物質への強い渇望感
  • 摂取する行動を管理することが困難である。
  • その物質に特徴的な生理学的離脱状態が使用の中止や減量に伴って存在し、同じ物質が離脱症状を避ける目的で使用される。
  • 耐性が生じていて、当初よりも使用量が増加している。
  • 物質の使用が原因で、他の楽しいことを軽視するようになり、物質の入手や摂取、作用に要する時間が増加している。
  • 有害となっているのに物質の使用が持続している。それは過度の飲酒を経て肝臓に害があるとか、激しい物質使用の期間の結果であるとか、あるいは薬物に関連した認知機能の障害といったものである。

※これらの症状のうち3つ以上が同時に存在している場合、依存症と診断する。
(ICD-10/世界保健機構による国際疾病分類より一部抜粋)

行動嗜癖(プロセス依存:ギャンブルなど)について

物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に熱中し、のめり込んでしまう状態を指します。ギャンブルなど特定の行為をコントロールすることができず、繰り返してしまい、借金など社会生活上に悪影響をおよぼしている状態です。
依存対象としてギャンブル、インターネット、ゲーム、スマートフォン、万引き、セックス、買い物など高揚感をもたらす行為が挙げられます。

共通していること

「繰り返す」、「より強い刺激を求める」、「やめようとしてもやめられない」、
「いつも頭から離れない」、「他のことを犠牲にしても手に入れようとする」、「依存が進むと生活に支障をきたす」など。

2.依存症の問題

何が問題なのか?

コントロールすることが出来なくなる

依存対象を自分の意思でコントロールできない状態になることによって自分や家族の生活が破綻していくことが挙げられます。依存対象となっている薬物使用や飲酒、ギャンブルなど特定の行為を繰り返すことによって脳の回路が変化し、自分の欲求をコントロールすることができなくなってしまいます。次第に他のことがおろそかになり社会生活上で優先しなければいけない色々な活動を選択することができなくなり、自分や家族の心身の健康を害し、社会生活に悪影響を及ぼし、精神的にも社会的にも孤立していくことにあります。

依存症の問題

依存が進むほど家族(周囲)への影響も大きくなり、次第に本人の問題が家族全体の問題のようになっていきます。本人はもちろん、家族も本人の問題の尻拭いをしていくうちに疲弊して、以前行なっていた活動などから離れてしまい、孤立傾向を深めていきます。

なぜやめられないのか?

コントロール障害

人は誰でもストレスへ対処する必要があり、それぞれの方法で対処しています。その対処方法に、ある特定の行為をすることがあります。それを繰り返すうちに脳の回路が変化して、自分の意思ではやめられない状態になってしまうことがあります。それが「依存症」という病気です。この状態になると周囲がいくら説得しても、本人が強い意思をもってやめようとしても反省や後悔をしても止めることができません。繰り返してしまうのは脳の障害です。決して「根性がない」とか「意思が弱い」からではありません。依存症は条件さえ揃えば誰でもなる可能性のある病気です。依存症は自分の意思でやめたり、減らしたりというコントロールすることができない病気です。

(厚生労働省HP:「依存症についてもっと知りたい方」参照)

3.依存症の回復とプログラム

回復とプログラムについて

依存症は慢性疾患と言われていますが、回復可能な疾病です。薬物やギャンブルなどの依存対象を止め続け、社会で活躍している人はたくさんいます。回復には「身体」、「脳」、「心」、「社会的」の4つの段階があると言われています。プログラムを通じて4つの回復を段階的に行なっていきます。大切なことは病気を認めてプログラムや自助グループなど回復に必要な場所や人から生涯離れないことです。プログラムを通じて薬物使用などに繋がる自分の物事の捉え方や考え方、使いたくなる環境や自分のストレス要因などのライフスタイルを特定していきます。そしてストレスコントロールの方法、互いに止め続けるための人間関係、ストレスを溜め込まない新しい物事の捉え方、ストレス解消法など薬物やギャンブルなどを必要としない人間関係やライフスタイルを獲得することが目的になります。薬物使用やギャンブルの引き金はストレスです。ストレスを含めた生活全般をコントロールするためのプログラムは回復に必要なツールと言えるでしょう。

4.栃木DARCの回復支援

概要

栃木DARCは2003年2月に依存症の回復支援施設として栃木県那須町に最初の施設を開設しました。2006年にはアメリカの治療共同体をモデルに階層式プログラム(現3Stage System)を導入して以降、県内5カ所に3Stage Systemのそれぞれの役割を担う施設を現在までに開設してきました。

栃木DARCの回復支援テーマ

  • アディクトが互いに自ら回復・成長する場所とプログラムの提供
  • 社会復帰後も自ら継続したケアができる支援
  • 回復動機は「気づき」によっていつか芽生えると信じて根気強く、焦らない

特徴

  • 単調にならないように数多くのプログラムを準備している。
  • 県内5カ所にそれぞれの役割を担う施設を配置(地元である県内出身者の回復支援にも有益)。
  • 階層式プログラムを実践しStage毎に施設を移動することで自分の回復の段階を実感できる。Stage毎に項目が設けられ、回復を可視化し個人の主観に偏らない回復支援を実践。

※栃木DARCの詳細についてはHP内「施設事業」をご覧ください。